悪夢


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雑感


(再録)

悪夢 08-11-16

おととい見た怖い夢。ぼくは怖い夢を、わりあい見る。怖いといってもオカルトめいたものより例えば、引っ越しを何度かしたので、夢の中で帰る道が分からなくなって路頭に迷って心細くなるものや、道に迷っているうちに戦時下の母の実家へたどり着き、幼い母が玄関から出てきたとか、また、なにしろ逃げないと大変な事になるのでひたすら逃げ惑う夢。などなどがある。
怪獣が出る夢も見る。巨大なゴジラが、逃げども逃げども追いかけてくる。
60年代、都内は建設ラッシュで、コンクリートのパイルを打って基礎工事をやっていた。あのトカーン、トカーン!という暴力的な騒音を伴って、巨大な鉛筆を地中へ打ち込んでいく作業があちこちで見られた。ぼくはあの音が、ゴジラや大魔神の足音に聞こえた。
幼稚園の頃、夜8時でもまだ建設工事をやっていた。地に響く音が怖かった。
あるいは火事。消防車が、ぼくが寝たか寝付けないかの間くらいに、けたたましい音をたてていた。
両親が階下で中華屋をやって共働きだったので、夜は一人で暮らしていた。食事も一人、寝るのも一人。だから、工事や火事の音が遠くから聞こえて来ると、怖くてならない。
そんな夢の続きを、今も、見る。怪獣が迫る。最初はまだ遠いからと地下へ逃げる。地下通路を逃げて、別の口から出るともうそこには怪獣がいる。あわてて、また逃げる。
逃げる事と重なるのは、帰る道が分からない事で、これも確実に焦りが伴い、夢の途中で怖くて目が覚めるわけだ。
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ところが、おととい見た夢は、いささかオカルトチックであった。
亡くなったはずの彼女がいた。それを、幼稚園児くらいだろうか、あなたに憑いているよと、女の子だろうか、可愛く、言うのだ。背中にいるよと。
その女の子の片目がなかった。
正確にいえば、ビー玉のように黒く透明な目をしていた。それで怖くなって、ぼくは目が覚めた。
彼女は年上だったが童女のようだった。だからお化けでもなんでも、出てきて怖いはずがない。例え、他の女の子と付き合っていても、彼女は寛容に、たまに会っては今度はどんな娘?と屈託なく聞いてくれていた。
ただ、自殺だったから、魂が成仏出来ていないとしたら、困りものだと思うのだが。
しかし、その事じたいは怖くはない。現に今までも何度か夢に彼女は出てきた。一緒にどこかへ出かけたり。懐かしい場面が蘇る。
ぼくが怖かったのは片目の女の子そのものだ。
実は片目には意味がある。右目を失っていると左目にたよりきる。
左目から入る景色は反転して逆さに右脳へ届く(右目はその逆)。右脳は芸術的な視野に影響があって音楽や映像的な創造を担う。とされている。
かつて、そんな話題を、取材で知り合ったゴジラ好きの俳優・佐野史郎さんとした事があった。
初代「ゴジラ」で、芹沢博士は地下実験室にいながら、なぜ、ゴジラが東京へ上陸して甚大な被害を与えた事を知っていたのだろうか? テレビはあったが、実験の虫だから、スイッチは入っていない。
でも実は芹沢博士は、ゴジラの映像を見ていた!
それは片目の秘密にあるのではないか。
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力のある霊能者に片目の人が多い。それも右目を失っている人が多いのだ。かの、オウムの麻原なにがしも、ライフスペースの高橋なにがしもそうだった。
相手の未来・現在・過去の記憶を、左目を通じて右脳で読み取る。右脳で、イメージを拡大するのではないか? という話になった。
芹沢博士は、どういう理由かで右目を失い、同時に恩師の意中の娘をも失ったが、左目を通じてゴジラの動きを感じていた。
だから、尾形と恵美子が芹沢の発明を使わせて欲しいとやってきて悶着した時に、たまたまテレビが点いて東京の惨状が流れるが、芹沢じたいは、その前にゴジラを知っていた。または、丁寧に言えば、尾形や恵美子の記憶をイメージしたのかもしれない。
まぁ、別に、力説するほど映画の話はここでは関係がない。右目を失った代わりに左目を通じて右脳で未来を見る人がいるんじゃなかろうか、という話を、なんとなくぼくも感じていて、佐野さんも感じていて、いきなり話が噛み合って、互いに、ああ!という事になったと言う話。

で、夢の話へ戻る。その片目の女の子のビー玉のような右目を見た時に、ぼくは、ああ見えるんだね? とその子へ訊いた。女の子は、頷いた。
それで、ゾッとした。ぼくは慌ててしまい、目が覚めた。半身が布団から出て寒かった。目が覚めて良かった。風邪をひくところだった。
目が覚める前に、一方で冷静に、これはきっとそういう事だから、専門家へ相談した方がいいとも考えた。
専門家の話はまたいずれ改めて書く。
ぼくはきわめて宗教に無頓着だし、テレビの霊能番組はそんなに見ない。昔は夏の番組で霊能者が出てくると興味深く見た事もあったけど、怖いので、真剣には見ないようにしていた。
ぼくは恐がりなのだ。だから、怖くさえなければ神秘的であってもぜんぜんかまわない。

それにしてもいきなり出てきた片目の女の子。いったい、誰なんだろうか。どこかでこれから出会うのだろうか。自分に娘が出来てそうであっては困るけど。でももちろん、片目なのは個性だと思う。ここでの肝は、子供に見抜かれた事が、怖かったのだ。