座頭市


HOME > 座頭市

and so on
雑感


(再録)

座頭市 09-03-17

9834.jpgワイドショーを見ていて不安になったニュース。SMAP香取慎吾主演の「座頭市 THE LAST」。ある人が言っていた。日本映画は、SMAPがダメにしていると。
たしかに、映画でもドラマでも年に1本か1シリーズくらいの出演のキャリアで、たまたま出た映画が良い映画になるはずがない。
勝新太郎も三船敏郎も何百と数をこなした。邦画全盛時代だったからではない。映画会社の契約社員だったから、本人の意志に関係なく、主演助演関係なく、出るしかなかった。そしてその中で巡り会う傑作を残せたに過ぎない。傑作に漏れた作品のなんと多い事か。
そして独立してからの制作の不振と借金に悩んで、かつての英雄たちは決して問題のない晩年ではなかった。
そこがまた昭和の名人のスケールだった。
「座頭市」なんて怪物の役だ。死と隣り合わせ。めしいた男の絶望と滑稽のドラマだ。裸で泥だらけになってギリギリのところで男でも女でも惚れ合うからこそ市の優しさが描け、怖さが際だった。そんな宿命の男が生き抜く術が居合いである。居合いだけ真似てもしょうがない。
どの要素が欠けても座頭市のバランスは崩れてしまう。
勝新太郎には色気があった。長唄の名人の家に生まれて芸事に長け、遊びに慣れ、人を好きでたまらないあの勝新の人なつっこさが、座頭市を魅力的にした。
勝新は、大麻事件の後の記者会見でマスコミを煙に巻いた。あれは勝新が勝新であるための見せ場だった。あんな馬鹿な場面を描ける役者はもう出ない。悪い事なんだけど。
もしあそこでしょげて頭を下げたら勝新はおろか、座頭市は死んだだろう。
その座頭市の物語のラストを見せると言うのだ。北野武のような勝手な座頭市ならかまわないが、総括した座頭市シリーズの最期と言うのはかなわないなぁ。