世界の怪獣


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ソフビ原型(99年~10年)

<マーミット>

●世界の怪獣

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中岡俊哉の「世界の怪獣」シリーズは、70年代に小学生時代を過ごした者にとってはある種の衝撃があった。
ある種というのは、いささか注釈が必要になる言い回しである。
簡単に言ってしまえば、誰もが<ちゃんとした怪獣>とは思っていなかった。
胡散臭いと言うか、今でこそ<パチ怪獣>という愛情を込めた言葉で語られはするが、やはり東宝やウルトラ、東映、大映のキャラクターに慣れていた子どもにとって、恐竜まがいの、あるいはウルトラ怪獣まがいの、あるいはどこかで見た事のある怪獣は、突っ込み処満載だった。
これはでも、あなどった感覚ではない。66年に怪獣ブームが起こって以来、駄菓子屋には無版権の商品が並んで、われわれは楽しんだ。
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中には手を加えないまま無版権で通している物もあった。けれども、よく見ると角が1つ多かったりする感覚に、騙された!と思いつつも、しょうがないねぇなと苦笑する楽しみ方を、われわれは身につけていた。
だから、ヨコプロのインチキブロマイドはファンが多い。本当にしょうがない、ながら、魅力的な物は魅力的だったのだ。
そういう物の中では、中岡版怪獣は、きちんと物語があって、一段も二段も上のクオリティがあった。
文字を読んで挿絵を見てイメージを膨らませる。男の子なら、誰しも映画やテレビだけでなく、自分の描く怪獣の世界をもっていたと思う。
ぼくは自分なりの想いを込めて、マーミットで3つ、作った。



ザゴラ

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チベットのザゴラ山中の怪獣として怖かったザゴラ。すでに別のメーカーで決定版のソフビが出ているので、同じ方向性で作ってもしょうがない所から始まった。
南村喬之の描いたザゴラはすでに東宝の怪獣のテイストをそのまま使っている。誰が見てもアンギラスなので、そのままというわけには行かないが、東宝映画に出て来そうなニュアンスを考えた。
シルエットとしてはゴジラなんだけど。

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甲羅は、70年代のアンギラスを作った安丸信行さんに敬意を表して、安丸さんがやったらこれくらいくっきりとモールドを刻むだろうと考えた。
だから、メガロゴジラと戦ってくれても違和感のない世界観を勝手に考えた。3つとも同じ流れになる。




バグン

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これは、梶田達二が描いたバグンではなく、杉尾輝利の描いたバグンの方。ややこしい。梶田さんのは折り込みポスターになっていて、杉尾さんのは本文のモノクロ。だいぶ質感が違うし、カタチもいくぶん違う。
どちらにしても、ゴモラの角を思わせる弓のような大角が特徴になる。
しかも丸い物体が乗っかって、せっかくの角の鋭角の流れを不自然に止めている。でもこれがミソになる。デンと、恥じることなくカタチにすると、存在感が出る。
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角は、あえて、内側にアールを付けた。目の周囲に立体物としてあったら良いと思われるエッジを加えて大胆な角をリアルにした。
体そのものは、60年代に南村喬之が描いたゴジラのシルエット。絵がそうなんだからあえて違える事もなくて。
羽は肉厚にした。手間をかけた分、バランスが良くて、堂々とした怪獣になった。
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ドグン

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これは南村喬之と杉尾輝利の両方の表記を見るけどどっちなんだろう。
これも言ってしまえば、「帰ってきたウルトラマン」のサータンである。
あるいは象さん。耳がそうだし。かといって昆虫のような目が着いていてなかなか異様だ。
サータンというのは、東宝を退職した利光貞三が開米プロを借りて作った怪獣だそうだ。デザインもやっている。
テロチロスの方が先で、こっちも利光さんだとか。放映順と制作順はまま違う事があるので、どっちが先に作ったか、よく分からない。でも同じ人がデザインして造型するのだから、同じ血脈が流れている。
まぁそこで、東宝怪獣ぽくなってしまうのだけど。
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パチ怪獣とは言うが、ぼくは怪獣はぜんぶ、格好良く力強くあって欲しいと思う。
絵は絵の範疇であるから、映像の怪獣同様、デザイン画を膨らませて立体にする技法を採り、実在感をひたすら考えた。
ザゴラもバグンもドグンも、動いている姿を、ぼくは想像して、ゴジラやウルトラマンと戦わせて立体化した。
とても楽しい作業だった。
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