issue扉


HOME > issue扉

issue

単行本

大人が読める怪獣の本を企画した。怪獣は、企画や脚本の段階でさまざまな意味をもって生まれている。完成映像にとらわれず制作の裏舞台に秘められた背景や思い、謎を、独自の視点で解剖した。
また、映画も美術も人がつくるものだとの切り口から、職人がもつ気質めいたものを探って写真集も編纂した。
昭和にテーマが集中してしまうが、雑誌で平成作品を追っていたのでバランスはとれたと思う。
すべて、著作物としての契約になっている。


写真集

写真集ではあっても文章量をキープして、読み物として成立する本にしてある。連載記事も同様だが、編集部担当の伊藤さんの狙いでもあり、両輪足並み揃えて良い本になったと思う。
秘蔵写真ばかりではないが、コレクターの西村祐次さんに無理を言って出来るだけ表に出ていない写真を集めた。
アドセンターの写真も含めて、それぞれ点数は千点ほどあった。
ウルトラの方のもう1つの方向性として、講談社の特写写真にかなわないので、メイキング的な写真やTBSの番宣写真を中心にした。

「Windows版ゴジラコレクション」(アスキー)

2VHJ.jpg「Windows版ゴジラコレクション」(アスキー)
ずっとMacを使っているのに編集部からWindows版しか出せないと言われ断腸の思いで企画に賛同(涙)。
壁紙とポスター集みたいな発想で始まったので、おまけに映像として予告編を入れたらと提案。さらにパンフレットをビジュアルに凝ったものにした。
こういうソフトパッケージは、たいてい何枚かフロッピーディスクが付いておしまいだから。
同時制作の「ゴジラ博物館」と同じ材料(西村コレクション)を使っています。







「幻想映画美術大系 大ゴジラ図鑑1・2」(ホビージャパン)

CBGH.jpg東宝アドセンター秘蔵のスナップを全面的に見せる本にした。千点は軽く選んでいます。
今までの本は、映画全体の紹介が多かったので、これは造型をテーマにゴジラならゴジラの皮膚や顔の表情が分かるような写真をメインに。
同じ写真でも、並べ方やテーマいかんで幅の違いを持たせられる。それはこの映画美術の重厚な歴史に起因すると思う。ゴジラの実像に迫る意味で初代ゴジラのメイキングの謎にも言及した。
歴代のゴジラスーツを一同に俯瞰する試み。
2巻目は、ゴジラ以外の怪獣を集めた。やはり個人的にはキングギドラやバラゴン、ヘドラがお気に入りだった。



「空想特撮美術大系 大ウルトラマン図鑑」(ホビージャパン)

CHJJ5.jpg「ウルトラQ」「ウルトラマン」で通した1冊。したがって、「ウルトラセブン」篇(含MJ怪奇)も当然、頭にあったわけですが。
造型の高山良策さんの撮ったスナップを前面に出す考えがありながら、やはり素人写真だし、いつか「高山良策の仕事」という本はやりたいと言う思いもあって、ここはドンピシャで懐かしいTBSの番宣写真をメインに据えました。
そもそも第1期ウルトラに関しては講談社の大島カメラマンが撮った写真にかなうものはなくて、大島さんの写真が遣えるのは、講談社が円谷プロへ寄贈したものだけ(もちろん使わせてもらった)。
その講談社から、その頃か少し前に大島カメラマンの写真集が出て、高山さんが納品したばかりのNG版の白いテペトが載った。
赤井鬼介さん(東宝の現場から編集者になった)が持ち帰った資料が戻され、その中に秘蔵の写真があったわけです。テペトも。
おいそれと借り出せるはずもなく、「セブン」篇への力が湧かなくなってしまった。それを除いても出しておくべきだったと思う。
それにつけても、いま見てもなかなか根性の入った良い本になったと思います。表紙の写真、ぜんぶ大島写真デス(笑)。ちゃんとご本人へもご笑納願いしました。






単行本

映画やテレビの本は、まず製作会社の版権を取らないといけない。6%が映像会社の取り分となる。つまり千円の本の60円相当。著者印税は本来1割である。千円の本の100円相当。版権物の場合、4%が著者印税となる。
あるいは全体を11%にしてもらい5%契約にしてもらう事もあった。
大好きな怪獣の本を作る人は半額で仕事をしなければならないのだ。
これとは別にムックのように著作物でないものは、編集費から原稿料をとる。印税より儲かるものの、著作物にはならない。構成とか監修名義の本はたいていがこれにあたる。
長い目で見た時、取り分は少なくても、自分の仕事として残したいと思ったので、ぼくは印税契約にしてもらった。重版がかかればギャラが派生する。あまりそれはなかったのだけど。
だから、これらの著作物は、身を削った本なのだ。

「ゴジラ博物館」(アスペクト)

08042511.jpg竹書房でやった「ゴジラ画報」のライターで映画の宣伝材料に主眼をおいてまとめた本。資料はもともと竹内博さんのが集めたものを西村祐次さんが譲り受けた。お2人なくして東宝の歴史を語る資料は残されなかったのだ。
映画の宣伝材料は多種多彩で、とくに古いものにはいかにも昭和の温泉宿に置いてありそうなチープな魅力がある。映画黄金期は場末のにおいこそ相応しい。
元山掌氏の含蓄ある知識も本へ深みを出せたが、わけても土屋梨影子氏のユーモラスな構成はこの本の艶の部分でもある。ぼくは交通整理をしたに過ぎない。







「絶対ゴジラ主義」(角川書店)

FFF23.jpg怪獣ファンなら誰でも綴れる<GODZILLA>の英語表記に、われわれは<GOD>(神)の文字を見つけけてニヤリとする。怪獣は神だから。でも、何か意味があるのか?と言う好奇心の文字本。
<MOTHER>(母)に通じるモスラ<MOTHRA>の綴り。それはインファント(幼児性)島の守り神だから。などなど。
この本も「ゴジラ画報」でチームを組んだ、元山掌氏と土屋梨影子氏がポイントの高い仕事を提供してくれました。また大越まどか氏のイラストも最高。
さらには、開田裕治さんに絵を描いてもらった事。コンセプトのある挿絵なので下絵をつくりましたが、開田さんがCGへ移る前の絵で気に入っています。





「ウルトラQ伝説」(アスペクト)

ygg626-img417x575-1249804681yyd9on17909.jpg我が心の原点「ウルトラQ」で1冊作っておきたかったのです。幸い、西村さん竹内さんが数多の資料を持ち合わせていたので、台本へぜんぶ目を通して、企画の推移を考えながら、当時の人の思いや目的を推察しつつ、われわれ視聴者であった子どもの文化や風景を具体的に添えてみたかった。
ぼくは映像美術が好きだが、その視点を避けて、文化的な視点で全体を把握した事で、客観的な百科事典のような本が出来たと思う。本のデザインをしてくれたバナナグローブスタジオの誠意とセンスに感謝しています。よくあの文字量をまとめたと感心します。2万字くらいは軽くあります。
3万字を削る作業だったんです(薄い文庫本3冊分)。
蛇足のつもりはないのだけど、デジタルな着色で「ウルトラQ」の世界へ色を付けたのは本当に楽しかった。モングラーの目は赤かったなど、ちゃんと裏付ける着色です。




「大怪獣グラフィティ ウルトラ時代」(ソフトガレージ)

BJKII2.jpgいわゆる紙物と言われる資料の、ある範囲をまとめた本。自分でもたくさん集めたけど、それを墓場まで持って行けない。最終的にこの1冊があったら、段ボールを引っかき回さなくても、お金をかけずとも、済むのではないか。表紙しかならばない見せかけだけの本はイヤなので、講談社へ了解してもらって最低限見せたい中身を紹介させてもらった。
問題は、スペル星人。色校ではもちろん掲載して、そのコラムとして事件と表現について文章を書いて、円谷社内でもある所までは了解を取り付けたのだけど、当時のスタッフでもあった満田かずほ氏の反対で流れ、円谷の指示に沿って該当箇所を消さなければならなくなった。本当に断腸の思いとはこのことだった。ゴメンねセブン。
それ以外は、とても大きな図版を再現出来て、申し分ありません。良い仕事が出来たと自画自賛。表紙も良かった。
そして、これの玩具篇を企画していたのだけど、その頃、版元のアスキーが傾いてしまった。出版不況は、思えばあの頃から始まっていたんでしょうね。





「ゴジラ見る人作る人」(ソフトガレージ)

BBJKK1.jpgこれは唯一、悔いが残る本で、スカスカになってしまった。「ウルトラ時代」と同時進行で、当時ぼくは相当な忙しさにあって連載やイベントもやっていたので、編集を他人へ任せて加筆を頼んだ。ぼくの本は、注釈のオンパレードになる。その一切がなくて、ただの本になってしまった。いや本当に残念です。買っていただいた方には頭を下げます。いつかまた良い本をやりたいです。